ツキ呑み① 「ビールとフェチとLINEの巻」

 

呑みたい気分でツキイチエッセイ

 「ビールとフェチとLINEの巻」

 

「ビールと珈琲と、チーズとパンさえあれば他には何もいらない」

……そう言い募りながら数十年を生きてきました。きっと死ぬまで言うことでしょう。

 

 パソコンとの付き合いは20年を超えました。こわごわメールをするようになった途端、やたらと凝った長い文章を作成してしまう自分の性質に気づき、HTMLタグと格闘しながらHPで発信を始めました。そうそう、パソコンとの出会いとなると、ゆうに30年を超え、当時習った影響で、いまだに仮名打ちしかできません。はい、できません。

 

 うっかり生み出してしまう凝ったメールや手抜きのできないHPに振り回されていたくせに、文章フェチだと気づいたのは比較的最近のことです。思わず口から漏らしたら、「気づいてなかったの ?」と言われました。とっくに漏れ出ていたようです。

 

 文章フェチとは気づいていませんでしたが、言葉へのこだわりがひときわ強いことは重々承知しておりました。書かれた言葉から相手の表情や心境を探り当てようとしてしまう。したくないのにしてしまう。なので決してLINEには手を出さないと決めています。

 

 「LINEはNO」と言い張るのも迷惑かもしれないと思う場面が増えてきました。敬愛する作家・朝井リョウ氏もまた、似た理由でLINEをしないのだと知り、同意と便乗で言い訳にさせていただいてきました。

 

 だから、朝井氏がLINEを始めたらやってもいいかなと思います。ただ、朝井氏が始めたかどうかを知るすべはありません。

                     2016/5/25 (26日編集)