NHKジャーナル「対決!ミニ・ビブリオバトル」

 

1月10日㈮、ラジオ番組のワンコーナーに出演させていただきました。

 

NHKジャーナル 対決 ! ミニ・ビブリオバトル」

  NHKラジオ第1   

  毎週月曜~金曜 午後10時~午後10時55分

  (10日放送分は放送後1週間、「らじる★らじる」の聴き逃がしチャンネルからお聞きいただけます)

 

 

 

 この日のテーマは「スポーツ」。お相手は、3回連続チャンプ本を獲得されている元古書店経営者の稲葉茂文さん。放送は午後10時からですが、コーナーが始まるのは10:25頃ということで、それまでは別室で待機。当日は朝から落ち着かずそわそわしていたのに、現場に到着した途端すっかり緊張が解けてしまった ( 超方向音痴に加えて慣れない渋谷、目的地は放送局 ! ご迷惑をおかけしないようたどり着けるかどうかが一番心配だったようです💦 ) こともあり、案外落ち着いて稲葉さんとおしゃべりしながら出番を待ちました。

 

ミニ・ビブリオバトル」の開始時刻が近づくと、放送ブースというのでしょうか、ガラス張りのお部屋に案内していただきました。ニュースに続いて気象予報が読み上げられる中、静かに着席して待機。生放送なのでもっとピリピリしているかと思ったのですが、キャスターのみなさんさすがどっしりと落ち着かれています。腰が引け気味になりながら入室しましたが、優しい視線で迎えてくださり安心することができました。

 

 簡単な自己紹介のあと、最初は赤コーナー・稲葉さんによる『リヴァプール・キャッツの冒険』(山際淳二/作)の紹介です。引き続きディスカッションがあり、それが終わると青コーナーであるわたしの3分間が始まります。

 

 ご紹介したのは『イチローに糸井重里が聞く』(朝日文庫)。とにかく運動が大の苦手、スポーツ観戦にもほとんど興味のないわたしは、テーマが「スポーツ」と伺って一瞬頭を抱えました。そんなわたしのストックの中に元々あったのが、「イチローが放つ言葉の魅力とそれによって推し量れる高すぎる人間力」への興味関心。そこから引き寄せられ夢中になったのが、この本だったのです。

 

 本の感想と内容については、せっかく3分でご紹介したので、ビブリオバトルでお話したこととさせていただきます。ちょうどこの本も対談の様子を活字化したものなので、恐縮ではありますが、以下、あやかって書きおこしてみました。放送時の様子も少しは伝わるとよいのですが。

 

 【対決 ! ミニ・ビブリオバトル】

 

――カーン(ゴングの音)

 

「後悔などあろうはずがありません」
 ご存知、昨年プロ野球界から引退したイチローのことばです。今日ご紹介するのはこちら『イチローに糸井重里が聞く』。2004年にコピーライター糸井重里とイチローとの対談番組がもたれました。それを活字化したものです。

 前年の2003年の成績212本安打にちなんだ212名のイチローファンが集った会場での対談。イチローと糸井重里、この2人の思いやり深い人柄がファンを前に随所に出ているので、会場全体の和やかなムードもよく伝わってきます。対談なのでもちろん対話形式なのですが、野球になぞらえて1回表から9回裏までの章立てがされており、整理しながら読み進むことができます。

「言わんとすることを、できるだけ正しく、真剣に伝えようとするイチロー」
 これはこの本の導入部にある、糸井氏の文章なのですが、このイチローに対して、糸井氏、緩急自在に質問を投げかけていきます。イチローという箱に隠されたネジを糸井氏が的確に探しあて、はずしては、パタンパタンと開いていく。イチローはイチローで質問に対して小気味よくスコーンスコーンと打ち返す。パタンパタン、スコーンスコーン、そんな音が聞こえるような爽快感をわたしはこの本から感じ取りました。

 (キャスターの皆さんに向けて)ご覧のように、イチローの言葉に対してつい付せんをたくさんってしまいましたが、この本の後半には、ちゃんと「51個のイチロー哲学」としてまとめられていますので、いつでもその言葉に触れることができます。
 (山田キャスターがここで「51」という数字に大きく反応を示してくださったため、「そうです背番号ですよね !」とお返事をしています)
 
 単行本の刊行から6年を経て文庫化されたものなので、特別付録として「糸井重里からイチローへの手紙」もついており、より満足感が得られます。

 今だからこそじっくりと人間イチローに向き合ってみたくはありませんか。
文庫です。持ち歩けるイチロー語録として、ぜひお手元におすすめいたします。

 もう少し時間が残っていますので、帯を読みます。
「ヒット一本がどれほどうれしいか。僕らは今頃になって理解する」糸井重里

 

(3秒ほど余らせてしまいました。本のタイトルを再度紹介すれば良かった……(泣)

 

――カンカンカンカンカン!! ( 終了のゴング )

 


――このあと1分間のディスカッションタイムとなりました。稲葉さんの時も含め、皆さん本当にじっくりと前のめりで耳を傾けてくださっており、矢次早に質問をぶつけてくださいます。そのおかげで、話そうと思いつつ時間を気にしてやめてしまったこともお話することができました。(対談のときイチロー30歳。将来の自身の引退についても触れているということなど)。

 

 ここでいったん控え室にもどり、放送終了間際くらいの時刻に再び放送ブースに案内されました。いよいよ結果発表となり、見事、稲葉さんの『リヴァプール・キャッツの冒険』がチャンプ本に選ばれました。これで稲葉さんは4回目のチャンプ本獲得 ! 最多記録に並んだそうです。結果発表の際には、メールやツイートなどから頂戴したさまざまなお声を聴くこともできました。本当にうれしく、ありがたかったです !

  

 

稲葉さんのチャンプ本には、NHKジャーナルさんオリジナルの帯が進呈されました !

この時の様子はのちほど、読むらじる。でご紹介いただけるかと思います。

 

 こうしてわたしのラジオ初出演体験は終わりました。今回、ビブリオバトルのすばらしさと本好きなひとびとの熱とをあらためて強く感じることができました。大変お世話になりました。ありがとうございました !!

 

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ここでハナシは到着前に戻りますが。。。

NHK渋谷放送センター構内で入場口を探しているとき遭遇した巨大な「どーもくん」。ライトアップされるでもなくたったひとり(一体)で どーも のポーズを決めている仕事熱心な彼の姿に、はじめての生放送出演に向けて緊張していたわたしはその時、大いに励まされたのでした……。