ツキ呑み⑤「方言と民話と分析済みの巻」

 

呑みたい気分でツキイチエッセイ 

「方言と民話と分析済みの巻」

 

  先日メディアで、消えゆく方言を守るための活動に焦点が当てられた報道を見ました。

 その中で伝承民話の語り部の方が紹介されていたのですが、なるほど「方言を守る」という観点で聴くと、その独特のイントネーションやニュアンスはとても文書で保存できるものではなく、つくづく「方言を守る」ことの難しさを痛感し、民話を語る活動の大切さが身に沁みました。

 

 ところでワタシは、素話でも朗読でも絵本の読み聞かせの時も、日本の民話を選んで読む時に比較的高めの評価を頂戴します。「また聴きたい」といっていただくと、そうかあ、という気持ちになります。そうかあ、に含まれるのは、そういう面があるのかもといった根拠の部分が理解できるからです。

 

 日本の民話を読むと、登場する人物やストーリーの1人1人、ひとつひとつに対して、よりリアルな背景を感じます。「鬼ばば」や「山んば」の本来の優しさや逞しさ、「あまんじゃく」の淋しさ、いじわるな隣人の心の弱さなど、彼らの生きざまに思いを馳せやすく感情移入がしやすいせいで伝わりやすさが違うのではないかと分析しています。

 

 ちなみに最近のマイブームワードは「分析は済んでいる」です。

 ちなみに「ちなみに」という言葉遣いを以前一時期無性に忌み嫌っていました。連発する人が頻出したせいで軽くアレルギーを起こしたらしい。いろいろこだわる自分がめんどくさいです。すみません。ちなみに今は平気です。

 

 てことで、日本の民話を読むと比較的喜んでいただきやすいという話。読みの力はまだまだですが、それだからこそ自分にとっての得意分野を知ってそれにすがっちゃうという方法も取り入れたいと、いうなれば姑息な思いをば抱いて日本の民話にこだわるワタシ。異論は認めな……いえ、なんでもお聞かせください精進します。

 

 そして方言の継承についてもしっかり意識していきたいもの……

 

だわなも(←名古屋弁)。

 

                  2016/9/30