ツキ吞み⑩3月「柿の葉寿司とLINEと黄色いワンピースの巻 上巻」

 

吞みたい気分でツキイチエッセイ

 

「柿の葉寿司とLINEと黄色いワンピースの巻 上巻」

 

 3月の日付でアップするつもりでいますが、実は現在とっくに4月。期末をはさむということはこんなに気持ちも状況も変わるものかと戸惑っています。そんな3月を振り返ると、定期的な活動や行事の他にも、期末ならではだったりそうでもなかったりする案件がとても多くて、ちょっとよくわかんないよというくらい手帳が黒っぽい。。。

 

ふと昨年3月のページを見たら似たような黒さでした。それどころか結局ほぼ毎月黒っぽくなっているようにも思います。スケジュール管理の鈍さもさることながら、記入の仕方にも問題があるやもしれません。脳の活性度に危機感を覚えるお年頃。

 

 そんなこんなの3月半ば、京都・奈良を巡りました、というか単に移動したに過ぎない旅ではありましたが、それでも移動中ふと目に飛び込む景色の重厚さが古都の魅力を訴えかけてきました。「日本人に生まれて良かった」という感慨にひっそり浸るひととき。

 

 そんな余韻が残っていたのか、帰りの新幹線に乗る前につい情緒豊かな「柿の葉寿司」なる駅弁を買ってしまいました。片手サイズの箱の中に、小ぶりのきれいな押し寿司が7つ。ひとつひとつ丁寧に柿の葉に包まれてぎっしりと詰まっています。小さい。かわいい。美味しそう。お腹も減っている。ひと箱は無理でも半分はいける、そう思っていたのに……(普段からご飯はほとんど食べません)。

 

 1個半で撃沈しました。早っ。

 

 二分の一個分のお寿司を必死に飲みくだし、残りは元通り包み直して家に持ち帰ったら、家族から「もう少し食えや~」と笑われるわ、逆に「なぜ食べようとした?」と心配されるわ。みんなで美味しくいただきましたが、駅弁は買わない、もしくはお土産に限ると決意をあらたにした次第。判断力と咀嚼力にも問題提議をしたいところです。

 

 さて、京都はともかく奈良への巡業(?)には大義名分がありました(といってもイチ観覧者としてですが)。「ビブリオバトル全国大会」そして「朝井リョウ トークイベントとサイン会」です。

 

『第二回ビブリオバトル全国大会 in いこま』

 

 これまで書店やカフェなど数十人規模のビブリオバトル経験しかなかったので、数百人の観覧(戦)者が熱い視線を送る広い会場で、ステージ上から堂々プレゼンをおこなうバトラーさんの圧巻の語りを聞かせていただくのは新鮮な体験でした。あんなバトラーになってみたい。夢と野望が膨らみます。

 

 とはいえ実のところ一番の目的は「朝井リョウ トークイベントとサイン会」でした(ビブリオバトル関係者のみなさますみません)。午後イチから並び最前列かぶりつき、滑らかなトークを堪能して満足ではありましたが、わたしにはさらなる野望がありました。サイン会でひとりひとりとしっかり対話をしてくださる朝井氏に、どうしても直接聞いてみたかったのです。

 

「LINEはじめましたか」「使ってみてどうですか」ということを。

 

(ツキイチエッセイ⑪へ続く)

 

2017/3/31(4/4編集)