ぴんぱらりんひめ

 

 小学校の図書室で素話をさせていただくのもこれで5回目。今回は初めて事前にタイトルをお知らせしていました。するとこんなに素敵なプリントが配られたとのこと。当日掲示もされており、とても光栄でした。このプリント効果のおかげか、時間が来ると押し寄せるような勢いで集まってくれた子どもたち。「毎回きてる !」と元気よく教えてくれる子もいました。

 

 今回語った「ぴんぱらりんひめ」には、「"はた"(機織り機)の前にすわって」「髪を"くしけずる"」「"はた"から"おさ"をもってきて」「一文銭」といった言葉が出てきます。そこでまず、語り始める前に、はたおりをする女の人の絵を見せて、「機織り」のイメージをつけてもらいました。また、語っているときは「髪をくしけずる」のところで髪をとかすしぐさをつけました。「おさ」と「一文銭」についてはそれぞれ、念のためにとつげのくしと、五円玉を持っていきましたが、見せるところまではせず、簡単な説明にとどめました。ヒントからお話のイメージをつかみ、より深く知りたいと考えてくれた子どもが自分の力で探求してくれればと願っています。

 

 小学校の図書室で休み時間に低学年の子どもたちに向けて素話を語る。これは最初、なかなかハードルが高いことでした。休み時間の図書室は常に人の出入りがあるし、先生からのお知らせが放送されたりもします。絵本の読み聞かせの時のような、絵も本もありません。ただ座って語るだけのわたしの前に子どもたちも座り、どこを見ていいのかわからずわたしの顔をじっと見ているかと思えば、突然立っていなくなったりもします。

 

 子どもたちの気持ちに手を差し延べて、お話の世界で一緒に戯れる。この頃ようやくそんなイメージがつくようになりました。そして、お話を覚える=身体に入れる、という感覚と、それが楽しくしあわせな作業であるということもまた、やっと感じられるようになりました。

 

 聞いてくれる子どもたちや、声をかけてくださる保護者の皆さんのおかげで学ばせていただいてきました。これからも精進していきます。おはなしの世界へご一緒しましょう。

 

2018/12/13